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【絵画レビュー】この絵、見たことある!教科書にも掲載された東山魁夷の名作『道』

東山魁夷『道』

東山魁夷『道』

昭和25年、終戦から5年が過ぎた当時の日本、人々は復興に向けて一生懸命に生きていた時代でした。
そんな中、日展に出品され大変話題になったのが、今回ご紹介する東山魁夷の『道』という作品です。

終戦直後 昭和25年ころの日本

終戦直後 昭和25年ころの日本

東山魁夷はこの絵を描くときに「はたして道一本だけで絵になるのだろうか」と不安に思ったそうです。
スケッチの段階では灯台や柵、牧場の馬が描かれていたのですが、自身の中での消し去りたい思いを一つずつ取り去るかのように、本作ではそのすべてが取り除かれています。


中央にまっすぐ伸びた道の先はわずかに右に曲がり、丘を越えて右の方へ続いていきます。
明るい未来がそこにあってほしいという思いを込めて、画面左側の空に比べ、右の空を明るく描いたと言います。
まさに希望へ向かう道標となっているかのようです。

 

戦争により家を失い、さらには戦中から戦後にかけて父・母・弟と全ての肉親を亡くし天涯孤独となった東山魁夷

東山魁夷

東山魁夷


絶望や悲しみを乗り越え、これから進む道は希望への一本道であってほしいとの思いを込めていたのです。
そんな東山魁夷の想いが当時の人々の心を動かし、「未来へ進む希望の道」として人気を博したのです。


では現代に置き換えてみたらどうでしょうか。
新型コロナウイルスの蔓延、戦争や飢餓など暗い話題が多い今の時代。
そんな今だからこそ、東山魁夷はこの「道」を多くの人に見てもらいたいと過去から想いを馳せているのではないでしょうか。

 

東山魁夷 道 版画

東山魁夷『道』版画 彩美版プレミアム

今回、東山魁夷の記念碑的な作品「道」が彩美版プレミアムという版画として復刻されました。
版画をアクリルガラスで圧着することにより、空気に一切触れることなく飾り続けることが出来るため、劣化を防ぐことが出来ます。
さらに表面の高級アクリルガラスは、紫外線をカットする加工がしてありますので、光からも作品を守ります。
額は万能額とも言われるシルバーの額になりますので、どんな壁にも合うように作られています。

 

是非この機会に東山魁夷の思いが詰まった「道」という作品を飾って、未来への希望を託してみてはいかがでしょうか。

www.art-wao.com