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【アート・絵画の豆知識】原画と版画の違いとは?

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原画と版画の違い

絵画には『原画』と『版画』の違いがあるのはご存じでしょうか?
絵画に詳しい方であればもちろんご存じでしょうが、アート初心者にしてみれば違いがよく判らないというのはごもっともな意見です。
そこで今回は『原画』と『版画』に違いについて簡単にご説明します。

原画とは

原画とは簡単に言うと「作家・画家本人が描いた作品」のことです。
原画は希少性が高く、値段も高額になります。
有名画家の作品となれば、数千万円から数億円というようなお眼目が飛び出るような価格のものも存在します。
必ずしも1タイトルにつき1点のみという訳ではなく、画家の思い入れのある作品などは同じタイトルの作品がサイズ違いなどいくつか存在しますが、人間が描くものですので風合いや構成、色遣いなど一つ一つに違いがあり、まったく同じ作品というものは存在しません。
絵の具の凹凸や質感など、原画でしか味わえない魅力を楽しめます。

版画とは

版画は「原画を元に複製された作品」のことです。
原画を元に絵師、彫師、摺師などが各工程を手掛け、作家や著作権者の監修の元で作成されます。
原画に比べると低単価で購入することができるうえ、絵のサイズ的にも自宅で飾れるサイズに縮尺されていることが殆どです。
複製といっても無限に刷れるという訳ではなく、版画が作成される前には事前に限定枚数が決められています。
作品の余白部分や額の裏面の奥付と呼ばれる部分に「〇/〇」というように分数でナンバーが記入されています。
版画の限定枚数(エディションナンバー)に関しては過去記事にも紹介しています
限定枚数を作成し終えると版を壊したり傷を付けることにより、それ以上の枚数を刷ることができないようにします。
これにより作品の美術品としての価値が保たれています。

版画作品が原画として扱われることも

版画家と呼ばれる、作家自身が版を作成している場合もあります。
有名な作家としては『宗像志功』などが挙げられますが、その場合には生前に作成されたものは版画作品であっても原画並みの価格で取引されることもあります。

まとめ

例えを挙げるならば『原画は一軒家』、『版画は分譲マンション』といえるかもしれません。
どちらにも価値があり、資産となります。
原画は自分しか所有していない絵という特別感が得られます。
版画は有名な絵柄や好きな絵柄を手に入れられる機会がありますが、原画は必ずしも欲しい絵柄が手に入るとは限りません。
どちらも一長一短があり、絵画・アートは自分の生活環境に合わせて選択するのがおすすめの選び方といえます。
絵画との出会いは一期一会。
絵画の方からはこちらとの出会いのタイミングを計ってくれないというのが絵画・アート好きの永遠の悩みですね。