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日本の浮世絵などで知られる伝統技法【木版画】とは? ①

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木版画の制作風景 アダチ版画製作所HPより

日本に木版印刷が伝来してから1200年、時代の流れとともに僧の修行や出版事業として様々な形や制作方法が生まれ、日本中で独自の印刷文化が発展しました。
現在では「記録作成等の措置を講ずべき無形文化財」として木版画制作技術が国の保護指定を受けるほどに重要視されています。

木版画が隆盛を極めたのは大衆文化が花開いた江戸時代。
日本各地で書物や絵草紙(挿絵入りの冊子)、浮世絵として知られる役者絵や風景画などが一般庶民にも浸透し、莫大な需要を賄うために印刷技術は大きく発展しました。
版元(はんもと:出版会社)を中心に木版印刷において、さらに効率よく正確な生産を行う手法として、制作工程を分けて作り手を特化させた「伝統木版画」技法が確立しました。
伝統木版画は「絵」「彫」「摺」それぞれの専門の職人による三者分業制で行われます。
絵師が原画となる版下絵を考案し、彫師が版下を元に版木に彫刻し、摺師が版木を使って和紙に色の擦りを施します。

このように伝統木版画は、分業によって専門性が高まることで技術と生産性の向上につながり、プロフェッショナルな職人たちの手から、何千何万という数の木版画木版印刷が世に生まれてきました。